恋
最近、ぼくは恋がしたいと思う。
最近ぼくはどきどきする気持ちを味わっていない。基本的には初対面で話した女の子は少し気になって、その人を考えたりするけど、本当に恋というところまで発展してはいない。その好きな人を前にすると胸がどきどきして、その子が他の男としゃべってるとものすごく嫉妬して、しゃべろうとするといつもなんか空回りしてしまって、少しでも時間ができるとその子のことを思い出して、何よりその子が自分をどう思ってるのかが気になってしょうがなくなる。そんな恋は全く遠ざかっている。実際そんな恋をしていないので、恋がどんなものであるのか忘れてしまっているくらいである。
ぼくには今彼女はいるが、もう2年になり、確かに彼女は好きだけど、そういう‘どきどき’であったりするようなことはなくなってしまった。彼女のことは好きである。彼女といると楽しいし、すごく自分を出せて、落ち着くことができる場所がある。それはとても幸せなことなのかもしれない。それ以上はないのかもしれない。それなのに人間は他の恋がしたくなってしまうのだ。彼女を飽きたわけではない。確かに自分とは違う面や少し嫌な面も見えてくるが、別にそんなことは慣れの問題でなんとかなることであると思う。しかし、やはり新しい恋を求めてしまうのである。
すごくそのどきどきを味わいたくて昔のどきどきした出来事を思い出そうとするが、思い出したら思い出したで落ち込む。自分は本当にだめだったなぁってそっちばかりを思ってしまう。恋をしたってどうせまた自分が嫌になるだけである。どきどきするってことは自分のダメさを痛感するってことだと思う。でも、それでも人間は恋をすることをやめない。それは人間の、動物の本能であるのかもしれない。恋は、誰しもに生じることなのである。その生じ方はもちろん人それぞれである。全然恋にならない人もいれば、すぐ恋してしまう人だっている。どんなときでも恋は生じるときは生じてしまうのである。しかし、それでも恋は結局は自分で作り出していく物であると思う。恋に発展しそうになっても、そこで身を引いてしまってはそれは恋ではなくただの逃げなのであろう。
ぼくは、そんな恋を味わってみたくなっている。必ず後悔するその恋を味わってみたくなっている。最近ではインターンであったモデル風の女の子がとってもいい子で、もっとその子のこと知りたいって思った。飲み会とかで話したし連絡先とかも聞いたけど、でもこの先どうしようもない。結局そうやってぼくは逃げるだけなのである。恋がしたいくせに、そこにあるのは勇気の壁と日常の壁である。
ぼくは恋をすることができるのであろうか。


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